Column コラム

マデイラワイン、4種の白ブドウ

2021.11.17

こんにちは。
ワインエキスパートの資格試験を受けていた方は先月で終わりましたね。ソムリエの方はもうすぐ3次試験ですね。
そんな、お勉強が終わってワインが好きな皆様に、お伝えしたい!

酒精強化酒のマデイラも美味しいよ~!!!!

ということで、今回は改めてマデイラワインをご紹介したいと思います。
あ、それからマデラ、マディラと表記することもありますが、正しくはMadeiraマデイラです。
現地の人は「マデイラ」と発音しますので、これも覚えておいてくださーい。

概要と白ブドウについて

マデイラ島はポルトガルの首都リスボンから約1000㎞離れたポルトガル領の島で、もともとは火山の島です。
クリスチアーノ・ロナウドの出身としても知られています。
そして、そこで作られる酒精強化ワインが「マデイラワイン」です。
マデイラワインを造り出すブドウには、白ブドウと黒ブドウがあります。
白ブドウは、

セルシアル→辛口
ヴェルデーリョ→中辛口
ブアル→中甘口
マルヴァジア/マルムジー→甘口

に作り分けられます。
黒ブドウのティンタネグラは1種類でアルコールを添加するタイミング(酒精強化のタイミング)をずらすことで、味わいを作り分けるのに対し、白ブドウはブドウ品種ごとに味わいを作り分けることがマデイラワイン法で定められています。【←ポイント!】
例えば、セルシアルは必ず「辛口(ドライタイプ)」に作らなければならず、甘口として商品化することはできません。基準に満たないものはブレンドに回されることが多いです。
加えるアルコールは無味無臭、透明な96度のグレープスピリッツです。
ポートワインは77度のグレープスピリッツなので、それよりももっと度数の高いアルコールを添加して作ります。

熟成方法について

マデイラ島は「マイクロクライメット」と呼ばれているユニークな気候で、標高の低いところ、高いところ、南側、北側、雨のところ、晴れのところ、と同じ日でも南北高低によって全然天気が違います。
同じブドウ品種でも南側の畑で採れるものと、北側の畑で採れるものでは変わってきます。例えば、セルシアルも単に海風の吹く冷涼な北側の畑で育ったものと、南側で日照もあるけれど標高の高いところで育ったものでは、やはり出来上がった時の個性が異なります。
この高貴品種と呼ばれている白ブドウは、栽培するのが難しいため、農家さんはあまり作りたがらないので、生産量が多くありません。
ですので、白ブドウ品種は「カンテイロ」で熟成されます。

「カンテイロ」、聞いたことある。なんだっけ…。そう思った方もいらっしゃいますよね。
(対で覚えたのが「エストゥファ」ですよ~。)
熟成方法のことで、「カンテイロ」では木樽にワインを入れて自然の熱で温めて熟成させます。加熱による酸化熟成が特徴です。【←ポイント!】
マデイラワインの樽は、古樽です。樽の木目から酸素が入り、液体も酸化していきます。またアルコールも糖も酸も凝縮していき、アルコール度数は17度程度だったものが19度~20度になります。ゆっくり時間を掛けて、糖がキャラメリゼ化し、メイラード反応を起こしながら、ワインは酸化熟成していきます。
ウィスキーなどと同じように、長期間樽熟成していると、「エンジェルスシェア」があり、少なくなっていきます。

試してみたくなってきた!

と、いうことで4品種、覚えていますか。
セルシアル、ヴェルデーリョ、ブアル、マルヴァジア。
味わい比較を手っ取り早くやってみたいですよね。
そんな方には、ミニチュアボトルの飲み比べセットがお勧めです。

ブランディーズ社の白品種5年熟成比較→ここ
バーベイト社の白品種10年熟成比較→ここ

どちらも50mlボトルx4種入っているセットです。
ちょっと飲んでみたいなという方、どの味が好きか知りたいなという方、あるいは、ちょっとしたプレゼントなどにお勧めです。
是非お試しくださいね。
あ、そうそう、セルシアルは辛口って言っても甘みがありますからね~!!!!
シェリーのフィノを思って飲んだら、びっくりしますよ!
次回は黒ブドウについて紹介しますね。