Column コラム

マデイラワイン、黒ブドウ

2021.11.20

マルチな黒ブドウ

こんにちは。
ワイン好きな方は、ヌーヴォーも楽しみにされているという方も多いかもしれませんね。
今年は11月18日でした。召し上がりましたか?
私はその日、いつも通りマデイラを飲みました笑。

さて、前回は白ブドウのご紹介をしましたが、今回は黒ブドウについてご紹介したいと思います。
マデイラ島で一番多く栽培されているブドウ品種は「ティンタ・ネグラ」です。
収穫されるブドウの80%以上がこのブドウです。残り10何%が白ブドウやその他のブドウです。
ティンタ・ネグラは19世紀にマデイラ島に持ち込まれたと言われいて、比較的新しい品種です。このブドウで作るマデイラワインは、酒精強化のタイミングをずらして4つの味わいを造り出します。【←ポイント!】
ブドウを破砕・プレスして、発酵させていきますが、その発酵時間が甘さを決めていくのです。例えば、発酵時間が短いと、糖分がまだアルコールに変わっていないので、多くの糖分が残っています。そのタイミングでアルコールを添加すると、酵母は働きを止め、発酵が止まります。そうするとこのワインは甘口になるのです。
アルコールを加えるタイミングを遅くしていけば、その分酵母は糖分をアルコールに変えていくので、糖分が少なくなっていき、辛口になっていくわけです。
こうしてティンタ・ネグラは1種類なのに、辛口/中辛口/中甘口/甘口、を造っていきます。

熟成方法について

さて、黒ブドウはたくさん収穫されてしまうので、木樽で熟成していたら時間もかかってお金になりません!生産者は死活問題!
大量生産ができるように、人工的に加熱させる設備を作りました。
この人工的に加熱する方法が「エストゥファ(エストゥファジェン)」です。【←ポイント!】
昔は、コンクリートタンクの中にコイルがあり、それを温めてタンクの中でワインを温めるということをやっていましたが、いくら対流を起こしたとしても、糖があるので、どうしても焦げ付いてしまったりして、雑味が入ってしまうことが多かったようです。
その後、ジャケット方式という、タンク内にパイプを巡らせて、そこにお湯を入れることで温めるという設備を開発しました。バーベイトはいち早く2008年にこの設備を導入したそうです。
このエストゥファのおかげで、製品を効率よく大量に作ることができるようになりました。
この方法で造られるのはティンタ・ネグラのみで、白ブドウには適用されません。
また、3年熟成の商品として販売されます。

※写真はタテで撮影したので見づらくて申し訳ありません。でもタテじゃないと入りません!それだけ高い大きなタンクなのです!

お料理に使われることが多い

また、この大量に造られることになった背景には、マデイラワインがお料理に使用されることが多いということも挙げられます。
恐らく西洋料理を作る料理人の方なら、かなりの確率で「あ、マデラでしょ」と認識されています。
フランス料理などでマデイラを煮詰めて、お肉のソースに使われることが多いのです。
「なんだか難しそう」と、思われた方も多いかもしれません。
マデイラワインをお料理に使うことは、全然難しくないんです!
煮込み料理などに少し隠し味のように入れると、深みが増して味わいがワンランクアップ!
いま、バーベイト社マデイラスイートは、You Tubeで活躍する料理家の方々とタイアップして色々なお料理を紹介して頂いています。
洋食だけではなく生姜焼きや煮物などのレシピも!
日本酒の代わりにマデイラを使うのですが、これもコクがあって美味しいです。
12月にはABCクッキングスタジオさんのクッキングコース「バリエーションクラス」でバーベイト社マデイラスイートが使用されます。
実際に作ってみたい!という方は、お申し込みされてみてはいかがでしょうか。