Column コラム

このヴェルデーリョは一体!?

2021.2.12

2月1日からバーベイトの新商品が3種類発売されました。珍しい「バスタルド」という品種のマデイラワイン、これもバーベイトらしい味わいで早くもご好評を頂いております。
さて、来週15日にも、やや遅れて入荷してきたブランディーズの新商品発売があります。

2020年ボトリングのVerdelhoヴェルデーリョ 1976年。
※注「ベルデホ」ではありませんよ~!

樽の中に入っていた時間もかなり長くじっくりと熟成され様々な香りをまとった素晴らしいワインに仕上がったのではないかと、リリースされた時から楽しみにしていました。
通常、その年リリースされるワインは大体、試飲できるのですが、昨年はコロナの影響でマデイラ島を訪問することができず、私も試飲はできていませんでしたので今回、エントラーダに少し早めに取り寄せて、佐藤と共にテイスティングをしてみました。

収穫年の翌年に樽へ入れられますので、実際に樽の中で眠っていた時間は43年間。
濃い目の琥珀色がその年数を外観で語っていますね。
グラスに注ぐと、ぱぁぁっとエステル香が広がり、スパイスやドライフルーツの香りも追いかけてきます。これは…これは美味しい香りだぞ。(ワクワク)この香りを楽しんだあと、口にワインを含むと…

「!」

なんだこれは!この酸は!
佐藤から「すごいよ」とは聞いていたのですが、一口飲んでみてびっくり。
このヴェルデーリョ1976年の酸はシャープでとてもクリア。しっかりと際立った感じで、想像していた「ヴェルデーリョ」の味わいとは全然違いました。

あまりのフレッシュな酸に「これって…ヴェルデーリョだよね」と思わずボトルを見てしまうほど。では、ということで佐藤と共にセルシアルと比較をしてみよう、という事になったのです。
最初はセルシアル1968年と比較しました。このワインは48年間の樽熟成。
セルシアルはドライ(辛口)のカテゴリーですので、こちらの方が酸が強いに決まって…ない。

…不思議です。

このセルシアルの方がアタックに甘さがあり、最初は「あれ?こっちの方が甘い?」となるのですが、やはりセルシアルの酸はぐぐぐっと伸びてきます。
そしてヴェルデーリョ1979年とセルシアル1975年とも比べてみました。
佐藤のコメントとしては、この2種のセルシアルは、温度による凝縮感なのか、チャコールのようなニュアンスや、ブラウンシュガーのような後味があるが、ヴェルデーリョにはこの後味はない。
確かに、この2種のヴェルデーリョには指摘されたような後味はありません。
特に1976年のヴェルデーリョはずーっと綺麗でクリアなのです。
これはヴェルデーリョの特徴なのかな?

と、ぐるぐる二人で色々考えます。
このロットだけに言える事なのか?
それともセルシアルとヴェルデーリョの違いなのか?
樽のせいなのか?
熟成の過程の違いなのか?
何が原因でこうなっているのかは分かりません。
でもこれはこのまま解き明かさなくてもいいような「マデイラマジック」ということなのかもしれません。
興味のある方は、是非この4種を試してみてくださいね。

新商品 ブランディーズ ヴェルデーリョ1976年は2月15日(月)販売です。
お求めはポントヴィーニョで!