Column コラム

マデイラのEXILEとウクレレ

2019.12.6

すっかり寒くなりましたね。そしてすっかりコラムの更新が滞ってしまいました。
前回「ラム日和」として、その週末にある「ラムコネクション」について書きました。
その2日後、マデイラ島へ研修ツアーに出発しました。
約1週間の滞在でしたが、何度行っても新たに知ることがあり、興味が尽きません。
今回は、出発前のラム繋がりで、『ウィリアム ヒントン』を製造しているENM社(Engenho Novo da Madeira社)に訪問した時のことを綴ってみたいと思います。

さて。
エンジェーニョ・ノーヴォ・ダ・マデイラ社(以下ENM社)ですが、マデイラ島にはラムの蒸留所が多くあるのですが、この蒸留所はもともとは1845年に設立された歴史ある蒸留所です。世界を圧巻した大きな蒸留所でしたが、時代の波には抗えず1986年に閉鎖。その20年後の2006年に、ヒントン家の子孫が「もう一度、ラムを!ウィリアム ヒントンをみんなに知ってもらおう!」と蒸留所を再開したのです。

この蒸留所は「カリエィタ」という島の東部のエリアにあります。
中心地からは車で50分くらいかかり、少し標高の高いところに位置しています。
昨年も訪問したのですが、その時からリニューアルされており、ラムを熟成しているエリア(熟成庫)が蒸留所の2階部分として増築されていました。
代表のアンドレがにこやかに迎えてくれ、早速蒸留所の見学をしました。残念ながら、サトウキビの収穫は4月末頃からなので、製造しているところは見られませんでしたが、その設備を見ることはできました。
醸造責任者や、マーケティング担当者も駆けつけてくれたのですが、そこにチームの結束感が垣間見えました。彼らはとっても仲がいいのです。
モノを作っていくうえで、やはりチームワークは重要です。
彼らの商品は最近コンペティションで賞を取ったりして高く評価されており、今、とても勢いがあります。こういう時のチームの雰囲気はとてもいい。
それが伝わってくる現場でした。
『ラムコネクション』でも、ウィリアム ヒントンは多くのお客様から高い評価を頂きました。
そんなENMチームに、ザワつく女子たち…と思ったら、社長木下も「男気あるな!カッコええな!」とすっかり気に入った模様。ワイルドな感じと、仲の良さから連想して「マデイラのEXILE」とツアー内でのニックネームも決まりました(笑)

さて、そのEXILE集団が用意してくれたのは、6種の試飲ラム。
その中には初めて口にするものもありました。
「マデイラ島発見600周年」を記念して600本しか製造していない貴重なラムや、アグリコールラム特有の青々しいさわやかなホワイトラムとは対極的なスモーキーなラム。
ウィスキーカスクフィニッシュのラム、など面白さを知ることができました。
帰り際、アンドレから「是非このマデイラ樽にサインをしていって。そして3年後にまた訪れた時にこの樽を一緒に開けましょう!」と嬉しい申し出が。
こんなワクワクすることを用意してくれるなんて!
なんてすばらしいエンターテイナーなんだろう!…とはなりませんでしたが、とても前向きな姿勢に我々も嬉しく思い、この想いに応えなくては、と思いました。

その後、全員で現地の隠れ家的バー「Pukiki Bar」へ連れて行ってくれました。
『ウィリアム ヒントン』を使ったカクテルを実際に飲んでみることになったのです。
このPukiki Barはポルトガル人の女性とイギリス人の男性が経営しているバーでハワイがモチーフ。ウクレレはポルトガルギターが原型で、ポルトガルからの移民がハワイに持って行ったと言われています。
ん!?
「日本からもハワイへは移民が多く行っているよ!」
「そうよね。日本とポルトガルって遠いのに、色々なところでつながるわよね。本当に不思議ね。」
まさかハワイにもポルトガルとの繋がりがあるとは思わなかった…。彼らのカクテルを飲みながら、ポルトガルギターが通った道、マデイラワインの通った道、ラムが通った道に思いを馳せ、世界はどこにつながっているか分からないなぁ、と思いました。
Pukiki BarもEntrada、「マデイラの入口」かな。