Column コラム

マデイラ島ツアーに行ってきました(2)

2019.10.4

こんにちは!
マデイラ島ツアー(1)からの続きになります。
今回はバーベイトの訪問の様子【前編】をリポートしたいと思います。

マデイラ島2日目は終日バーベイトDAYでした。木下インターナショナルの共同出資先でもあるバーベイト社は、革新的なマデイラワインを創り出す注目度が高いワイナリーです。
バーベイトへ行く前に、世界で2番目に高いと言われる断崖絶壁の「カボジラン」に立ち寄りました。世界第1位はどこか?ブラジル説、台湾説、とグループ内でも様々な情報が飛び交うくらいなので「第2位」も怪しいのですが…笑。
標高500m以上に設置されたプラットホームから岩肌と海が見え、高所恐怖症の方はちょっと厳しいかもしれません。しかしながら、高いところから見る大西洋の青さは息を飲むほどの美しさ、朝日できらめく水面をいつまでも眺めていられるように思いました。

バーベイトに到着すると、ワイナリーでは最終の仕込みに追われていました。
今年はブドウの収穫期間が短く、約一カ月で終了とのこと。ですから圧搾機などは稼働しておらず、静かに発酵を待つタンクのセルシアルと対面しました。
初めて訪問する方がほとんどでしたので、皆さん興味津々。
ブドウが運び込まれ、プレスされ、タンクに入れて発酵・酒精強化を行う一連の作業場も見学しました。その作業場の隣には大きなエストゥファのタンクが数個あります。「エストゥファ」とは人工的にワインを温めて加熱熟成させる方法で、ティンタ・ネグラの3年熟成品をつくるときに用いられます。
ぐるっと敷地を回って、カンテイロの中に入ると、ピラミッドのように積み上げられた樽の多さに皆さん驚いた様子でした。「カンテイロ」は自然の熱を利用して加熱熟成させます。主に白品種や、ティンタ・ネグラでも後にコリエィタになりそうな良い状態のものを樽に入れてカンテイロで熟成させます。
バーベイトのカンテイロは屋根が金属で壁がコンクリート。風通しの為の窓もつけられていてカンテイロ内に空気を循環させます。このカンテイロは非常に重要で、マデイラワインはブドウのデキというよりも、どんな状況で樽が熟成されたか、でワインに個性が生まれるのです。
屋根に近い暑い場所に置いておけば、水分が早く蒸発しワインが凝縮されていきます。下の段の涼しいところに置いておくとワインはゆっくり熟成していきます。このように置く場所や期間を管理しながら、樽の中のワインは熟成されていくのです。
その樽のワインは全てサンプルを取っており、ラボで管理されています。一般の訪問客ではなかなか見られないところですが、瓶の多さに皆さん驚いていらっしゃいました。

見学が終わるとお待ちかねの試飲です。
今回は6種のマデイラワインに、特別にリリース直前のヴェルデーリョのスティルワインを試飲させてもらいました。このヴェルデーリョのスティルワインは昨年、リカルドが初めてスティルワインを作って、その時のワインを樽熟成させてレゼルヴァとしてリリースしたもの。マデイラは味わい比較を基本にして5年物と10年物を、その他ティンタ・ネグラ2003年とヴェルデーリョ1994年を試飲しました。
ツアーに参加されていた、大阪糖菓さんのしおりさんがバーベイトのワインで作った金平糖を持参されていたので、みんなでペアリングを楽しみました。
バーベイトのワインとバーベイトのワインを使った金平糖をバーベイト社で合わせる貴重な瞬間でした。しおりさんはスタッフにも金平糖をプレゼントしてくださいました。もしかしたら、バーベイト社に試飲に来た人は、ペアリングを楽しめるかもしれません!
(大阪糖菓さんのバーベイト金平糖はこちらから購入できます。現地ではドリヴェイラのワインを使った金平糖も頂きました!)

午後は北側の畑へ移動。
「雨が降っているかもしれない」というリカルドの言葉通り、南側では降雨はなかったものの、北側で雨がパラつき、少しばかり気温も低めでした。
北側にはリカルドの長年の知り合いのジョゼさんのコテージがあり、マデイラ牛のエスペターダをランチに頂きました。
「エスペターダ」は、ブラジルのシュラスコの原型とも言われ、マデイラ島の特産ローリエ(月桂樹)の木の枝に肉を刺して炭火で焼く、シンプルかつ滋味深い郷土料理です。肉はマデイラ牛を使っており、肉肉しくもしっかり味わいがある赤身でとても美味しいです。
それを塩を振って炭火で焼き、付け合わせのレタスとトマトのサラダ、ゆでたジャガイモと一緒に頂きました。
デザートには自家製プリン!これにあわせるは、リベイロレアル ティンタ・ネグラ20年です。マデイラとカラメルのかかったプリンの相性は抜群ですが、ここに贅沢にもリベイロレアルを合わせられるなんて…。やはりデザートは別腹でした。
【後編につづく】